平成25年度『サイエンス・コミュニケーション演習』

3年次(4年次)の上級科目として『サイエンス・コミュニケーション演習』を開講します。『UECパスポートプログラム』の一環として開講される本科目の目的は、科学の専門的な内容を他者に伝える具体的なアプローチの例を学び、今後、学生が自ら専門的な内容を他者へ発信できる能力を高めようとするものです。

受講生による講義紹介

夏季休業期間最後の週に行われた『サイエンス・コミュニケーション演習』の授業では,はやのん理系漫画制作室の小林早野(はやのん)先生,理化学研究所の足立枝実子先生,産業技術総合研究所の下村正樹先生という,各分野の最前線でご活躍中の3人の先生方に,それぞれ熱弁をふるっていただきました.受講生は皆得るものがあったと確信しております.以下に,受講生から来期の授業を受ける皆さんへ,今回の講義の紹介を行ってもらいました.

各講義を受講して

正確にわかりやすく伝えることの難しさ -はやのん理系漫画制作室 はやのん先生の講演より-

今回自分は自分や他の人の研究などをわかりやすく文章で人に伝えることの難しさと重要性について考えさせられました。物事を正確に伝えることは一見すると楽なように思われます。自分や他の人の話を聞きそれをただ要約するだけです。しかし、実際に文章を書いてみると自分の推測や勘違いなどで一度で正確に伝えられる文章を書ける人はほとんどいないと思います。はやのん先生も何度も監修を受けるそうです。この授業では講義の後実際に受講者で文章を書き採点をしてもらいます。みなさんもこの講義を通じて正確でわかりやすい文章に挑戦してみませんか?(3年 U.M.さん)

見やすいWeb サイトは科学を見やすくする! - 理化学研究所 足立枝実子先生の講演より-

サイエンスコミュニケーションと聞いて、何を思い浮かべますか? 多くの人が実験教室や科学イベントを思い浮かべると思います。しかし大枠でとらえると、Web 上での研究成果の公開なども含まれます。理化学研究所広報室Webチーム担当の足立枝実子先生が、人の興味・関心を引き、多くの人に読んでもらえるサイトとはどんなものかを、理化学研究所Web サイトリニューアルの話を例に説明していただきました。Web サイトは一方通行コミュニケーションツールですが、スマホなど情報端末が発展している現代では、Web を効果的に使えば研究に対する興味・関心を多くの人から得る事ができるでしょう。(4年 O.M.さん)

双方向コミュニケーションについて -産業技術総合研究所 下村正樹先生の講演より-

2013年9月19日サイエンスコミニュケーション演習第三日目は、産業技術総合研究所広報部総括主任の下村正樹先生のお話を伺いました。授業の前半では、産業技術総合研究所の概要と産業技術総合研究所が主催しているサイエンスカフェやイベントの運営の話、後半では私たちが見学した双方向コミュニケーションをしている科学の出典の報告と、私たちの企画した双方向コミュニケーションをする企画の発表です。双方向コミュニケーションと銘打っているように、コミュニケーションとは相手あってのものです。とくに科学を扱う実験教室や展示などは相手にとってわかりやすい内容は勿論の事、親しみやすい場を提供することが重要になってきます。この授業では、具体的な予算の組み方、実験の危機管理、内容、MCの導入などどのようにしてそのような場を作り進行していくのかということを、学びました。実際に、実験教室の経験豊富な下村先生のお話は運営側からしか聞くことができない話も多く、面白いです。(3年 Y.H.さん)

全体を通して

伝える方法

サイエンスコミュニケーションは言葉通りに科学を伝えたり、科学について話し合ったりすることです。私はこの講義でサイエンスコミュニケーションにはいくつもの方法があることを知りました。漫画やWebなど人と触れ合わなくても伝えるという意味では立派なサイエンスコミュニケーションであり、そう考えると毎日のようにサイエンスコミュニケーションは行われています。主催者側は一般の人にもわかりやすく面白いものにすることで、無知な人や苦手な人でも楽しく聞いたり、見たり、話し合ったりすることで少しでも科学の力がついていきます。そうすることで科学が好きになれば良いことだと思います。これから先、もっといろんなやり方でサイエンスコミュニケーションはされていくと思います。そのどれもが多くの人に楽しんでもらえるものであればより科学が発展していくと思います。(3年 S.K.さん)

受講申し込み方法

下記の情報をパスポートプログラム連絡窓口contact © passport.uec.ac.jp (© をアットマークに変更)まで送ってください.参加人数に上限があり,応募者多数の場合は選抜を行います.履修の受付完了者には返信メールをお送りします.申し込み締め切り:7月26日(金)17:00

  • 件名:サイエンスコミュニケーション演習申し込み
  • 学籍番号,氏名,学科コース(研究室)
  • 受講理由
  • 将来どのような仕事に携わりたいか
  • 自己PR(任意)

平成25年度『サイエンス・コミュニケーション演習』

参加者は以下の日程で行われる専門講師による講演を聴講し,前後に出題される課題に取り組んでもらいます.

7月9日(火)5限:ガイダンス

場所:D101

『サイエンス・コミュニケーション演習』の目的,概要の説明を行います.同時に受講希望者数の調査を行います.

ガイダンス(事前課題を含む)の内容はこちら(事前課題更新しました8月1日(木))クリック

講義日程

  • 9月17日(火),3-4限
  • 講演者: はやのん理系漫画制作室 はやのん(小林早野) 先生
  • 講演タイトル:科学を伝える言葉力
  • 9月18日(水),3-4限
  • 講演者: 理化学研究所 足立枝実子 先生
  • 講演タイトル:Webで科学を伝える
  • 9月19日(木),3-4限
  • 講演者: 産業技術総合研究所 下村正樹 先生
  • 講演タイトル:アウトリーチ活動 〜双方向コミュニケーションを目指して〜

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授業風景

講演者プロフィール

小林早野(はやのん)先生

はやのん理系漫画制作室代表,理系漫画家.

琉球大学理学部物理学科卒.新聞,雑誌,大学・研究所の広報用として,科学の話題を紹介する漫画を制作している.日刊工業 新聞『キラリ研究開発』,Rikejo『Rikejoのオシャレ研究所』NintendoDREAM『すすんだ!天任家族』連載中.趣味は英語学習.

足立枝実子 先生

理化学研究所 広報室課長代理.

下村正樹 先生

産業技術総合研究所 広報部総括主幹,サイエンスコミュニケーター.